金属パーツのポリマー化は弾薬でも進む?

金属パーツのポリマー化は弾薬でも進む?
金属パーツのポリマー化は弾薬でも進む?
 

金属パーツのポリマー化は弾薬でも進む?
NGSWでフェーズ2へと進んだ6.8mm弾を開発したTrue Velocity社

先日もお伝えしたアメリカ陸軍の次世代分隊火器(NGSW)の選定が進むニュースにおいて、フェーズ2へ進んだ3社うちの1社であるGeneral Dynamics OTSと提携している弾薬メーカーTrue Velocityが選定されたポリマー素材を用いた薬莢を持つ新型6.8mm弾についてプレスリリースを発表した。

True Velocityはすでに既存の弾薬と同様のサイズのポリマーケース弾をリリースしており、5.56×45mmNATO弾、7.62×51mmNATO弾、.338ノーママグナム弾、12.7x99mmNATO弾、12.7x108mm弾など多岐に渡っている。新規の規格となる6.8mm弾以外にもこれら既存サイズの弾薬でも軍、法執行機関、民間市場での進出を狙っている。

新型の6.8mm弾では、ポリマー製薬莢の強度的な弱点とも言える弾頭を抑えるネック部分を従来の薬莢とは違い厚めに設計されており、より信頼性が高くなったデザインとなっているのが特徴。

6.8mmポリマーケース弾

True Velocityの開発する弾薬は、薬莢に複合素材を使用したプロダクトが特徴となる。メインのケース部分をポリマー素材としつつ、プライマー周りやリム部分に金属素材を使用している。弾薬の樹脂製ケースといえばショットシェルなどが既に一般化しているが、これをより発射時の圧力が高いライフル弾やピストル弾でも対応できる形へと進化させる研究開発を行ってきたのがTrue Velocityだ。

今回、NGSW新規規格の6.8mm弾にて弾頭サイズ以外にはある程度の設計余裕があるのか、極めて実現性の高いプロトタイプが完成したと言えるだろう。

ポリマー製薬莢

ポリマー製薬莢のメリットはアメリカ軍の要求を実現するための近道の1つである。威力的な問題で5.56mm弾では性能に疑問が出てきた現代戦において、反動をほとんど変えず弾道も安定させたまま長距離での致死率を上げることを目的とした6.8mm弾。必然的に弾頭の重量も大きくなってしまうが、薬莢のポリマー化によってむしろこれまで中々実現できなかった弾薬の軽量化が実現できる。これによって携行する弾数の増加が図れるなど、総合的な火力を威力・量ともに上げることが可能になる。

新型弾薬の開発は、次世代分隊火器(NGSW)プロジェクトにおいてカービン・軽機関銃の開発と一体となった大きな要素だ。General Dynamics OTSのパートナーとなっているTrue Velocityはベレッタ社もその提携の輪の中にいると発表しており、今後銃器の開発も含めてどのようなプロダクトが発表されるのか大いに期待したい。

 
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